2019年3月14日

住宅宿泊事業の概要

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住宅宿泊事業の概要、要件など

住宅宿泊事業法の届出を行うにあたって、検討中の建築物で営業を行うことは可能か、また可能だとして、どのような制限があり得るのかを把握しておきましょう。

詳細な内容は、京都市の「住宅宿泊事業の届出の手引」をご確認下さい(「京都市 住宅宿泊事業 手引き」で検索)。

※所有建物で住宅宿泊事業が行えるか簡単チェック!住宅宿泊事業向きの物件をご確認下さい。

point-1

最大180日の年間宿泊制限


まず、理解しておくべき住宅宿泊事業の最大の特徴は、年間の稼働可能日数に制限があることです。

如何なる場合でも、法律で定められている上限が180日となっていますので、これを超えて営業することはできません。

さらに、各自治体が条例等で独自の制限を行うことが可能なため、地域によっては、さらに少ない日数しか営業できない可能性もあります。

京都市の場合では、原則として180日まで営業可能ですが、住居専用地域で営業を行う場合であって、下で説明する「家主居住型」に該当しない場合には、1月15日から3月16日の間しか営業できません。

この点が、稼働日数に制限のない旅館業施設と大きく異なる点です。住宅宿泊事業を検討する場合には、まず考慮すべき重要なポイントです。

・関連ページ【住宅宿泊事業】Airbnbにおける180日の計算方法が変更されました

point-2

住宅宿泊事業法の対象となる「住宅」


住宅宿泊事業法は、その名の通り「住宅」に人を宿泊させる事業です。まず大前提として、営業を行おうとしている建物が「住宅」である必要があります。

住宅宿泊事業法上で「住宅」であるというためには、以下の要件をクリアしている必要があります(法第2条第1項、施行規則第2条第1項各号)。

「住宅」と言えるための要件① 〜設備要件〜

まず、届出を行う住宅(以下、届出住宅といいます)には、次の設備が備わっている必要があります(法第2条第1項、施行規則第1条各号)。

台所
浴室
便所
洗面設備

また、施行規則第四条第4項第1号チにおいて、宿泊室の床面積を届出書に記載する旨が定められていることから、届出住宅には上記4つに加え、

宿泊室  も必要であると解されます。

「住宅」と言えるための要件② 〜居住(人的)要件〜

住宅宿泊事業法上で「住宅」と言えるためには、設備要件に適合するだけでなく、以下のいずれかもに該当する必要があります。

  1. 現に人の生活の本拠として使用されている家屋であること(家主居住型)
  2. 現に特定の人物が継続して生活を営んでいる家屋。京都市では、3ヶ月以上住民票をおいて居住していることが必要です。

  3. 入居者の募集が行われている家屋であること(入居者募集型)
  4. 住宅宿泊事業を行なっている間、入居者の募集を行なっている家屋。賃貸物件で、入居者を募集中の間のみ民泊として活用するスタイルです。

    事業開始前はもちろん、民泊営業を開始した後も、継続して入居者の募集を行う必要があります。

  5. 随時その所有者、賃借人または転借人の居住の用に供されている家屋であること(セカンドハウス型)
  6. いわゆる別荘で行う民泊事業。自分が使用しない間、民泊として営業する。少なくとも年1回は使用している家屋であることが必要です。

point-3

自己管理 or 住宅宿泊管理業者への委託


住宅宿泊事業の管理運営方法は、大きく2つに分けることが出来ます。

  1. 管理委託不要型
  2. 現に特定の人物が継続して生活を営んでいる家屋。京都市では、3ヶ月以上住民票をおいて居住していることが必要です。

  3. 管理委託必要型
  4. 住宅宿泊事業を行なっている間、入居者の募集を行なっている家屋。賃貸物件で、入居者を募集している間のみ民泊として活用するスタイルです。

    事業開始前はもちろん、民泊営業を開始した後も、継続して入居者の募集を行う必要があります。このパターンでの営業には、住宅宿泊管理業者に民泊の管理を委託する必要があります。

point-4

現地対応管理者の駐在場所 ※京都市の場合


京都市では、非常時や近隣住民からの苦情に対応する「現地対応管理者」を、届出住宅から800m以内の場所に駐在させなければならないと定めています。

この規定が京都市における住宅宿泊事業の営業を行う上での最も大きな障害と言えるかも知れません。

point-5

避難経路幅は1.5m以上か? ※京都市の場合


路地や袋小路の多い京都市では、届出住宅からの避難通路幅を、原則1.5m以上確保する様に条例で定めています。避難通路を1.5m以上確保できない場合は、以下の制限が生じます(京都市条例第15条各号)。

  1. 1回の宿泊について、5人以下の1グループとすること
  2. 住宅宿泊管理業者への管理委託を行う場合においては、現地対応管理者を届出住宅と同じ町内もしくはそれと同等の範囲内に置くこと
  3. 災害時における宿泊者の避難上の安全性の向上に努めること
  4. 届出住宅の耐震性の向上に勤めること

共同住宅内の複数の部屋で営業を計画している場合、①の制限によって宿泊グループ数が限られてしまうのは、大きな制限となります。

また、②の制限によって、現地対応管理者の駐在場所が限られてしまうことは、それ以上に致命的と言えます。

それでなくとも設置の難しい現地対応管理者(原則、届出住宅より800m以内)を、同一町内から選任または設置することは至難の業です。場合によっては営業自体を諦めなくてはなりません。

京都市で宿泊事業をご検討の場合(住宅宿泊事業法だけでなく、旅館業も共通です)は、避難通路幅は要注意事項です。

point-6

超重要!消防法令上の要件を確認する


宿泊事業(旅館業法上の営業及び住宅宿泊事業)を行う場合、上記のほかに消防法令上必要な設備を備えている必要があります。

場合によっては高額な機器の導入が必要となり、民泊の営業を断念するケースも考えられます。非常に重要な部分なので、最寄りの消防署での事前相談を早めに済ませておきましょう。

・民泊業務の報酬例一覧

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