定員の多い宿泊施設は、それだけで競合が少なくなるため、OTAサイトなどでの集客に有利です。
営業開始時の手続きにおいて、宿泊者数の上限は可能な限り多く設定しておくべきでしょう。
ここでは、京都市における住宅宿泊事業で、宿泊者数を制限している事項をご紹介したいと思います。
面積による制限
1 居室の広さによる制限
居室とは、宿泊者が占有する部分のことをいいます。
言い換えると、家主同居型の場合に家主が立ち入れない、ゲストのプライベート空間ということです。
この居室の床面積が、宿泊者1名あたり 3.3㎡以上 確保されていなければなりません。
(例)定員3名の施設では、居室の広さは 3名 × 3.3㎡ = 9.9㎡ 以上は必要
2 宿泊室の広さによる制限
宿泊室とは、宿泊者が就寝するための部屋のことです。
この宿泊室についても広さによる上限が設定されていますが、
どのような寝具を設置するかによって、上限となる人数が変わってきます。
1 ベッドの場合 1名あたり 3.0㎡ 以上の宿泊室が必要
2 2段ベッドの場合 1名あたり 2.25㎡ 以上の宿泊室が必要
3 上記以外(布団など) 1名あたり 2.5㎡ 以上の宿泊室が必要
(例)ベッド2台を設置する洋室を宿泊室とし、定員を2名とする場合
ベッド2台 × 3.0㎡ = 6㎡ 以上の宿泊室が必要
※ 居室は6.6㎡以上必要となります(2名 × 3.3㎡)
設備による制限
施設に備え付けられた設備による制限は、以下のとおりです。
宿泊者5名につき、1個以上の洗面設備が必要
宿泊者5名につき、1個以上のトイレが必要
ちなみに、トイレは大きい方ができるものである必要があります。
旅館業と違い、お風呂に関する規定が無いことがポイントです。
※ ただし、宿泊室、台所、浴室、便所、洗面設備の5つを備えていない施設は、
住宅宿泊事業法が規定する「住宅」とみなされず、営業ができない可能性があります。
避難通路による制限
避難通路とは、施設の出入り口から(建築基準法上の)道路や公園などに通じている通路のことをいいます。
要は、地震、家事などの緊急時に安全な空間まで非難する際に通る道、ということです。
この避難通路の最も狭くなっている部分の幅が1.5㎡未満である場合、
定員は5名以下としなければなりません。
避難通路については、定員制限のほか、同時宿泊可能なグループが1グループまでとなることや、
現地対応管理者を施設と同一町内に待機させないといけない などの制限が加えられますので、ご注意ください。
まとめ
以上、京都市の住宅宿泊事業において、宿泊者数(定員)を制限する事項についてご紹介しました。
より詳しく確認したいという方は、京都市発行の「住宅宿泊事業の届出の手引」をご確認ください。
(「京都市 住宅宿泊事業 手引き」で検索)